インキュナブラ ダンテ「神曲」 展示会
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■ と き |
2003/10/21(火)−10/22(水) 10:00−17:00 |
■ ところ |
群馬大学荒牧キャンパス 附属図書館2階
371-8510 群馬県前橋市荒牧町4-2 (地図・交通案内) |
■ 展示資料 |
ダンテ『神曲』1491
スピノザ『神学政治論』1670, 『エチカ(ラテン語遺稿集)』1677 ほか
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illustrated by Ai Akao
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このたび群馬大学附属図書館は、詩聖ダンテ『神曲』(Divina Commedia)のインキュナブラを貴重図書として所蔵することになりました。
ダンテ・アリギエーリ(Dante Alighieri, 1265-1321)は、イタリア・ルネサンス発祥の地フィレンツェに生まれ、イタリア文学史上最大の記念碑ともいうべき『神曲』を書き残しました。
本書は、1491年にヴェネツィアで刊行された、いわゆるインキュナブラ(揺籃期本)です。グーテンベルグの印刷術発明後、15世紀後半の約50年間に印刷されたもので、現存するものは世界で約3万点といわれています。
本学は、今年の4月よりダンテの故郷にあるフィレンツェ大学と学術交流協定を締結したばかりです。最大傑作『神曲』のインキュナブラの現物をとくと御覧いただきたいと思います。
中村喜美郎(附属図書館長)
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神曲 しんきょく La Divina Commedia とは?
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中世末期からルネサンスにかけてのイタリアの大詩人ダンテの代表作。全1万4233行からなる叙事詩。
1302年に故郷フィレンツェを追放されてから,流浪の生活のなかで07年ころから書き始めて最晩年に完成した。原題は《喜劇 Commedia 》(〈悲劇〉に対して円満な結末を迎えるため)であり,〈神聖な divina 〉という形容詞は後年に付加されたものである。なお,邦訳名《神曲》は森鴎外が《即興詩人》のなかに用いて以来,今日のごとく定着した。
全3篇 (地獄,煉獄,天国),各篇33歌。 ただし,〈地獄篇〉の冒頭に序歌が加わり,都合100歌。
主題は,生身の人ダンテが彼岸の世界の旅を成就することにある。大赦の年1300年の復活祭に,おりしも人生の半ば(35歳)にあった詩人が,暗い森に迷いこみ,聖木曜日から聖金曜日にかけての夜に始まり,1週間の三界遍歴を行う。まず地獄から煉獄の一部までをラテンの大詩人ウェルギリウスがダンテを導き,地上楽園から天国の至高天までをベアトリーチェが導いて,最後に聖ベルナルド (クレルボーのベルナール) が3人目の案内役となって天上の純白の薔薇の形のうちに三位一体の神秘を示す。
河島 英昭
『ネットで百科』(株式会社日立システムアンドサービス, 平凡社)より抜粋
- インキュナブラ incunabula, incunable とは?
- (ゆりかごの意)ヨーロッパで、活字印刷術の発明(1450年ごろ)以降、1500年までの間に刊行された活字印刷本。揺籃期本(ようらんきぼん)、初期刊本ともいう。
『図書館用語集 改訂版』(日本図書館協会)より
- 読んでみよう! 下記資料を本館で所蔵しています。
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- 『神曲』全3巻 寿岳文章訳 集英社, 1974-1977
971:D39:1〜3(本館開架2階)
- 『読ませるダンテの「神曲」』岡戸久吉訳 2001
971:D39(本館開架2階)
- 『ダンテ』野上素一訳(世界文学大系 6)筑摩書房, 1962
908:Se22c:6(本館開架2階)
- 『ダンテ』マリーナ・マリエッティ著(文庫クセジュ 600)白水社, 1979
Q971:Ma51(本館開架1階)
- 『中世の四季:ダンテとその周辺』平川祐弘著 河出書房新社, 1994
971:H64(本館開架2階)
- 『ダンテ』野上素一著(Century books. 人と思想 65)清水書院, 1981
971:N93(本館開架2階)
- 『ボッティチェルリ『神曲』素描』鈴木杜幾子, 平川祐弘訳 講談社, 1979
724.6:B66(本館開架2階)
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